2022年大晦日に今年読んだ本を振り返る

Hiroki Kaneko
Dec 31, 2022

--

Photo by Cedric Letsch on Unsplash

例年通りカニ漁と純喫茶で暮れてゆく

今年はほとんどブログ記事を書けずに終わろうとしている。では私は何をしているのかというと例年と変わらず、YouTubeでディスカバリーチャンネルの「ベーリング海の一攫千金」を見て「こんな死にそうな思いをしてまで獲ったカニなんか正月に食べなくてもいいな。今年はタラバガニが半身で1万円もするし、それにカニって美味いか?」と思ったり、純喫茶めぐりのブログを見て過ぎ去った日々に思いを馳せたりしていた。

記事をあまり書けなくなった原因は、自分の思いを書くブログであるはずなのだがその思いというのが、まったく幼稚な考えなのでは?と自身の思考への疑念を抱くと何も書けなくなってしまうのだった。

今年読んだ本

今年は大して読書もできなかった。理由は特にないのだけど…。一番の後悔は、待ちに待ったピンカーの最新作「人はどこまで合理的か」がほとんど理解できなかったことだ。

ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観
ダニエル・L・エヴェレット (著)

これが2022年のベストだった気がする。数字も神もない社会で生きたかったという気持ちと、それとは別に病気になったら薬がある文明社会で暮らしたいという思いがある。

ベルリンうわの空 Kindle版
香山哲 (著)

彼の本を何冊か読んだが、読みにくいオルタナティブ・コミックという感じでもあるし、書かれている内容も、競争社会がどうとか、大企業の弊害、グローバリゼーションの弊害がどうとか、格差がどうとか、左派のお題目を並べるだけで自分の意見というものが感じられなかった。この2022年も暮れようとしている日に「コロナ前」の社会への不満をとうとうと語られても、「いやあ、色々あったけど 2010年代は良い時代でしたよ。この2022年、あなたの嫌いなグローバリゼーションは終わり、新たな冷戦時代、戦争の時代に突入したけど、これで満足か?グローバリゼーションの時代の方がマシだったと気づいた?」とでも言いたくなる。
生まれも育ちもベルリンの私の友人は最近オーストリアのインスブルックに引っ越したのだそうな。その理由を聞くと「ベルリンって、人は多くてノイジーで、なんだか住んでいる人も冷たい感じがするの」と言っていた。著者の感じるベルリンとは全く異なる。いい年して「自分探し」はもう終わりにしたら?「出身地ではない異邦に自分の夢を仮託する」のはアタマ悪いからやめようぜ、ご両人。

プラテーロとわたし
ファン・ラモン ヒメネス (著)

原作者の詩人の預かり知らぬところだけど、これは江守徹の朗読が最高だと思ってる。

ヒトは〈家畜化〉して進化した
ブライアン・ヘア(著)

自己家畜化仮説。ちょっと乱暴な議論もあるけど、人間は早いとこ、暴力的なチンパンジーと親戚の縁を切るべきだ。ボノボと養子縁組したい。

人はどこまで合理的か(上・下)
スティーブン・ピンカー (著)

今年最大の後悔。100回読まなければ理解できないと感じた。そして私にこの本を100回読むだけの根気はない。

人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する
マット・リドレー (著)

例に出された沢山のイノベーション事例が楽しく、現代に生きることに感謝を覚える。例えば旅行用スーツケースについたキャスターに、など。

進化と人間行動 第2版
長谷川 寿一 (著), 長谷川 眞理子 (著), 大槻 久 (著)

教科書ですから、文章が教科書的なのは仕方ない。そして私はこの本の内容を理解できたかというと、「生まれか環境か」の問題を一言で言い表すことができないので繰り返し読む必要がある。

来年は今年よりマシな 年でありますように。

--

--

Hiroki Kaneko
Hiroki Kaneko

Written by Hiroki Kaneko

自営業のソフトウェア技術者。Airbnb TOP5%ホスト。サイクリングと旅行が趣味。

No responses yet