Mediumが間違って「日本語記事」として推薦した「遠東青年自由同盟」アカウントから中国の多様な民族意識が見えてくる
私はMediumで日本語記事を探す時、「日本語」タグを使っているが、どういうわけかMediumは「日本語タグのおすすめアカウント」として、以下の中国語記事のアカウントを推薦してくるのは、これは一体どういうわけなのか?
この、「遠東(=極東)青年自由同盟」は、主に中国出身、アメリカ在住?の若者が作った政治団体であるらしい。中国語といっても繁体中文で書かれているから、ライターは台湾か香港出身なのかもしれないし、中国本土出身であっても「中国共産党が勝手に決めた簡体字は認めない」スタンスであるのかもしれないが、そこはよくわからない。なぜって記事を書いた人の名前やプロフィールがないから。「記事に署名をしないのは中国共産党の出先機関、人民日報(だか環球時報だか)の悪しき伝統である!」とは思わないらしい。
私は中国語が読めないので、Google翻訳をしながらこの政治団体?の記事を読んでみた。今まで「中国語→日本語」の機械翻訳はひどいもので全く文としての意味をなさない、と思っていたが思いの外読みやすい翻訳が出てきて驚いた。
例えばこの記事の最初をGoogle翻訳する。
原文はこれ。
即使在今天(2023年初),我們也可以放心的說,沒有人真正喜歡中國共產黨。這種不喜歡雖然并不能直接阻止共產黨繼續執政,卻實際上增加了它的統治成本。如果人們對現狀不滿,就會想要尋找其他的替代。共產黨因此不得不花大價錢消滅它的潛在競爭者以證明自己的地位,比如支持全世界的馬克思主義研究,爲了讓人知道自己是全世界馬克思主義的正統繼承人;或者收買中國國民黨這個曾經的敵人或朋友。前者不算很重要,因為馬克思主義已經死了。
Google翻訳で日本語にした。
現在(2023年初頭)でも、中国共産党を本当に好きな人はいないと言っても過言ではありません。この嫌悪感は共産党が権力を握り続けることを直接妨げるものではないが、実際にはその統治のコストを増大させる。現状に不満がある人は、代替案を見つけたいと思うでしょう。したがって、共産党は、共産党がマルクス主義の正統継承者であることを世界中の人々に知らせるために世界中のマルクス主義研究を支援するなど、その地位を証明するために潜在的な競争相手を排除するために多額の資金を費やす必要がある。かつての敵だった中国国民党、あるいは友人たち。マルクス主義は死んだので…
結構、読みやすい文章だと思いませんか?私は中国語は読めませんが、漢字の意味だけを推測しつつ「馬克思」は「マルクス」と読むのだな、と「馬」の発音が日本語でも”ma/uma”であることを手がかりに推測できる。元々日本には馬がいなかったために”馬”の訓読みが存在しない、といったトリビアでその辺りは読めても日本語と中国語では文法がまったく違うために文章の意味を推測できないから、この機械翻訳はまったく素晴らしい。
まあ、要するに現在あなた達が中国と呼んでいる国には多様な民族が住んでおり、それぞれが自決権を持つべきである、という主張です。だから中国もバラバラに解体せよ、ということだ。
民族ではなく、ある「理念」で国をまとめるというのは割と最近の考え方だ。たとえばフランスの理念に賛成するならあなたも今日からフランス市民ですよ、というわけだろう。
では、アメリカの理念はどうだ?
“We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.”
「私たちは、これらの真実は自明であると考えます。すべての人間は平等に生まれ、彼らは創造主によって譲ることのできない特定の権利を与えられており、その中には生命、自由、幸福の追求が含まれます。」
>すべての人間は平等に生まれ
→奴隷は含まれていないのだそうだ。あと金持ちは単に金持ちの親から生まれたという理由だけで金持ちであり、人生のスタート地点からぜんぜん平等じゃないね。
>彼らは創造主によって譲ることのできない特定の権利を与えられており
→神なんかいねえよ。いるなら連れてこい。
「自分だけは特別だ」と考えることは非常に幼稚である。それはあらゆる生物の脳にプレインストールされて工場出荷されている「デフォルト設定」であり「私はわたしである」というだけの理由では他者に対する優越への説明にはなっていない。そしてそれに気づけるのは全生物の中で人間だけだというのにお前はまだわからないのか?
>生命、自由、幸福の追求が含まれます
→超おいしい料理だって3日続けて食べたら飽きるのだから、そんなものは追求したって無駄だろう。無駄な努力をする奴らを「哀れ」と形容する。
というわけで、私はアメリカの理念には賛同できないので、アメリカ市民にはなれません。
現実を見ろ
いるわけない神を持ち出して(奴隷以外は)平等だと言ったりと、その「理念」というのもずいぶん疑わしいものだ。
そのような次第で、「遠東青年自由同盟」の皆さんも好きに活動していただいたら良いと思う。私は出身に基づく区分けも嫌いで、疑わしい「理念」とやらも嫌いなら、強権政治も嫌いだ。なぜならそれらはすべて嘘、というか虚構だからだ。
ここで「地域的な出身に基づく区分けは虚構ではない」と思うかも知れないが、人類だって皆アフリカから出てきた奴らばかりなのだから、同じだろう。これには証拠があるが、「神はいる」という主張には証拠が提出されたためしがない。「証人」である神本人も、裁判所に出廷したためしがない。
では何が妥当な社会の取り決めなのかといえば、現実しかないだろう。「私はあなたの腕を切り落とさない。だからあなたも私の腕を切り落とさないでください」から始めるしかない。そこに神だの何だのといった幼稚な物語はまったく必要ないし、これには全人類が賛同するだろう。このルールを他のケースにも拡張していくしかないのでは?