Realforce日本語配列をApple Magic Keyboard風にして更にHHKBにしようとして止めた
在宅勤務をするのだから、これぐらい贅沢しても良いだろう
7月から在宅勤務をすることになり、自宅に仕事用PC環境を揃えなければならない事になった。私が家で使っているのはiMacだが、客先企業は指定のノートPC（Windows）での作業を指定してきた。本来なら、このノートPCで在宅勤務の全てをすれば良いだけなのだけど、私はどうしてもノートPCの「かぶりつき体制」による長時間作業では、目と首と肩が疲れてしまい、どうしても集中できない。そのため、デスクトップPCと同じ姿勢で作業をすべく、外部モニター、キーボード、マウス（これは自宅のオモチャ箱から古いMicrosoft Mouse Opticalを引っ張り出した）、Web会議のためのカメラ、それらを繋ぐためのUSBハブなどを購入した。結構な出費だ。
DELL 27インチ4Kモニタ 4万円
Topre Realforce JP 2.7万円
logicool Webカメラ 0.6万円
メーカー不明USBハブ 0.25万円
かれこれ20年ほどPFU Happy Hacking Keyboardの各モデルを乗り継いで使ってきたけど、単に飽きた、というのが今回Realforceを買った理由だ。
あとは、日本語入力をするのにSun Type3配列に近いと入力モードの切り替えが面倒だというのがある。しかし「全角/半角」キーが良いわけではない。
Windowsの「半角/全角」キーの罪
私はWindowsの「半角/全角」キーが嫌いだ。
例えばURLを打とうとして全角だったとか、日本語を打とうとして半角だったとか、それを半角に直したり、アルファベットに直したりして…いったい日本語ユーザー全体で、PC作業時間の何万時間を、自分が意図しない入力モードによる誤入力と、それに伴う入力モードの切り替えとその確認で使っているのだろう？これは重大な生産性の低下だ。それもこれも、「半角/全角」キー、トグルスイッチのせいだ。今すぐ廃止しろ。
これがviユーザーなら、「今の入力モードは知らないが、とりあえずEscapeキーを2回ぐらい叩いてコマンドモードに切り替える」のって、手癖としてやるよね？トグルスイッチだと、それが出来ない大問題がある。
いま自分がどちらのモードで使っているのか、画面の端右下、タスクバーのIMEが「あ」なのか「A」なのかをを見なければわからない。更にこれはトグルスイッチでもあるので、自分が考えている入力モードと逆になることへのストレスがある。だから最初の1回の打鍵が不発だった場合、2回打たなければならないのがストレスだ。
Macの日本語キーボードは、この「今の日本語入力モードが全角だか半角だか知らないが、とりあえず英数キーを叩けば英数に、かなキーを叩けばかなに入力モードが切り替わる」という、しごく当たり前の作業を、画面の隅の入力モードを見なくてもできる、これが偉いんだ。なぜ気づかない？なぜ日本語を扱う全世界のユーザーは2021年にもなってWindowsなんて未だに使ってるんだ？私はもう、こんなクソを25年くらい使って飽き飽きしてるんだ！品川駅前の日本マイクロソフトのビルを見る度に、爆発しろと思ってるんだ！！ビル・ゲイツが熟年離婚したことだって、ザマアミロと思ってるんだ！！！
だいたい「無変換」「変換」「カタカナひらがな」キーって何なんだ、押すと何が嬉しいのか、PCを使って30年以上になるが未だに知らない。OADG109キーボードの配列が決定したのは1991年なのだから、案外新しい規格でもあるし、ワープロ専用機のキーボード配列に倣ったような気もする。
Windows向けRealforceをHHKB風にMacで使う
スペースキーの左右にある、わけのわからんキーはMacの日本語キーボードと同じ、トグルスイッチではない入力モードの選択の方が良い。これをどのようにWindowsで設定するかは知らないが、最近のWindows 10、バージョン20H1からは無変換、変換キーをMacのように英数、かなとして扱う設定ができる（が、客先から借りた開発用PCではWindows Updateもままらなず、諦めている）。
私がはじめてMacに触れた1992年は、「英数、かな」キーなんて無かった。ところでこの矢印キーの配置は最悪だった。あとescキーも。閑話休題。
ところでRealforceをMacで使うとどうだろうか？東プレのRealforceにはMac用と銘打ったキーボードもあるので、わざわざWindows用のキーボードをMacで使う人もいないと思うが、メインはWindowsでRealforceを使い、たまにMacでも文章入力をしたい、という人もいるかも知れない。
Macでキーカスタマイズをするには、Karabiner-Elementsというドライバを使うようだ。
そしてこれが最低限の設定。右シフトとの組み合わせでHHKB風の矢印キーを設定しようと思ったが、設定ファイルを書く必要があるとかで挫折した。
矢印キーを触るためにホームポジションが崩れるのは嫌なので、Macの場合は（デフォルトの隠し機能？として）Emacs風キーバインドが標準で使える。これを利用することにした。この辺、NEXTSTEP直系の育ちの良さ？を感じる。
Control + A（??行頭）、E（nd, 行末）、F（orward, 一文字進む）、B（ack一文字戻る）、N（ext, 次の行へ）、P（revious, 前の行へ）
ControlキーはAの左隣。これでいい。いや、慣れない。だからHHKBの「右fn+右ダイヤモンドカーソル？」が好きだったのだ。
「バリバリにカスタマイズした環境で使っています自慢」は時代遅れ
21世紀になってからは、そう思って生きてきた。だって、PCの時代なんてもう終わったでしょう？皆スマホ使ってるよ。スマホはカスタマイズなんて、壁紙と、ケースを何にするかぐらいなもので、拡張なんてできない。
客先から借りた開発用PCは、ローカルアプリのインストールだって許可なしにはできないんだ。ノートPCなのだから、キーボードは最初から付いてくるものを使うしかない。
アプリのカスタマイズなんて、やってどうする？
もしあなたが、バリバリにカスタマイズしたローカル上のWindowsやら、macOSやらを使っていたとしても、仕事で使うのはリモート接続した、皆が使うWindowsやらmacOSではないのか？クラウド上のバーチャルマシンのLinuxではないのか？だとしたら、標準添付のviで乗り切るしかないじゃないか！ご自慢の .zshrc なんて持っていても、bashしか入ってないんだよ！
2021年のcomputing、それはローカルのMacから仕事先オフィスのWindowsにリモート接続して、そこからAWSのEC2で動くLinuxを操作することだろう。ひとつの環境を自分好みにカスタマイズすることに何の意味があるのだろうか。
現代は、Chromeにせよ、VSCodeにせよ、カスタマイズした設定をクラウド上で共有することも可能であり、それが2021年の使い方というものだろう。でも、もうそんなことは止そう。「与えられた環境に適応する」のが、生命の生き残りの全てではなかったのか？
近所の塀に、市議会だか県議会だか、国会議員だかのポスターが貼ってある。その人の顔写真と共に「ブレない」と大きな字で書いてあった。
「ブレない」ことがそんなに偉いのか？
6600万年前、地球に隕石が衝突して大規模な気候変動が起きた時、恐竜たちは「ブレずに定温動物」だったから絶滅したのにか？
ブレろよ。ブレてブレて、その時時の環境に適応しろよ。
だから、今回、高級キーボードなぞ買ってしまった自分は、かっこ悪いなあ、と思っている。
