YouTube Premiumで筋肉少女帯の全アルバムが聴き放題なのに名曲「サンフランシスコ」の再生数が2562回ってどういうことなの?と思ったあまり詳しくない私がお薦めする筋少の名曲たち

Hiroki Kaneko
7 min readSep 29, 2020
1988年のアルバム。2020年現在、このお婆ちゃん達は殆ど亡くなっていると思うと笑顔が良いだけに寂しい

ディスクレイマー
私は筋肉少女帯についてインディーズ時代からずっと追い掛けて30年、というわけではないので、この歌詞のここの元ネタは何だ、というような深い話はできません。

ディスクレイマー2
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80年代の筋少

サンフランシスコって聖フランシスコだったのか?

Sugiyama Yohsuke
サンフランシスコの歌詞が元々これだったとすると、もしかして、サンフランシスコとは都市名ではなく、「聖フランシスコ」という聖人の名前だったりしますか?なんとなく、聖人の名句を列挙してる感じの曲だなぁと思ったので

言われてみればそうだ…知らなかった…。そう考えれば間奏がなぜパイプオルガンっぽいのかも説明がつく…。米国カリフォルニア州サンフランシスコ市だと思ってた…。歌詞が「さようならさようなら、こんな遠い異国の地でお別れするなんて本当に辛い」から始まるので、都市名かと思ってた。その後の歌詞が、サーカスの話から突然「脳髄はものを思うにはあらず」とかよく分からない事になっているのはなぜなんだろうと思ってた…。それにしても’80年代インディーズバンドの重要イベントである「ナゴム総決起集会」の映像まであるのだから、YouTubeありがてえありがてえ。こんなの当時見たことがなかった。

おすすめ1・サンフランシスコ(仏陀L)

それにしても演奏技術はナゴム総決起集会当時のものはあまり特筆するようなところもなく、メジャーデビューアルバム「仏陀L」の「サンフランシスコ」が一番好きです。この、三柴の狂ったようなピアノソロが良い。ピアノうまいよなあ三柴。なんか、東京の港区のお金持ちの家に生まれて、親に言われてクラシックピアノなど練習していたのだろうなあ。それがどうしてこんなことに。

ピアノの三柴(アルバム写真右の男)はこの後、バンドを脱退して「90年代の筋少」と呼ばれるメンバー構成になり、若い女の子に人気になり、しかし大槻(アルバム写真左の男)がファンと手当たりしだいに性行為をするのでメンバーが止めたら大槻がすねてバンドが活動休止になり、2000年代後半に活動再開となり、三柴が復帰し、今に至ると。
(この段落に書かれている内容は証拠がないので信じることを禁止します)

おすすめ2・いくぢなし(SISTER STRAWBERRY)

プログレッシブ・ロック。歌詞は意味が無いようであるようで、多分無い。歌詞は、死んだという姉さんの元恋人とアンテナ売りの旅に出かける「ケンヂ君」の話。これもYouTubeを漁ると、インディーズ時代と微妙に歌詞が変わっていて面白い。インディーズ版の歌詞には、フェティシストだったという姉と元恋人の詳しい描写がある。多分、ゼンタイ(全身タイツ)かラバーフェチだったんじゃないかと。
とにかく演奏が素晴らしくて、聞いていて気持ちが良いというか、不思議な気分になる。今聴き直すと、思い出補正もあり、当時のことも思い出されて懐かしいというか寂しいというか、とにかくいつまでも聞いていたいと感じる。この曲が一番好きかもしれない。
YouTubeがあると、インディーズ時代の歌詞とメジャーの歌詞が微妙に変わっていることもよく分かる:
* 高木ブー → 鼻血ブー
* オレンヂ・ペニス→オレンヂ・エビス
* 「ララミー」では、女性がどうやら輪姦されたのだろうという描写が無くなった
* 「いくぢなし」では、姉さんがどのように狂っていたのかの描写が消え、旅先で出会った姉さん似の女性の描写も「どこというわけではないが、弱そうだった」といった遠回しな表現になっていたのを、YouTubeにアップロードされていた動画で確認した

90年代の筋少

おすすめ3・夜歩くプラネタリウム人間(月光蟲)

大槻のシャウトが気持ちいいです。当時から歌が下手だとか何だとか言われていましたが、この声質のキャラクター性は唯一無二なので、プロなのです。「月光蟲」は私が初めて買った筋少のアルバムなので、すべての曲が好きですが、どれか1つ、と言われたらこの曲。

おすすめ4・パブロフの犬(断罪!断罪!また断罪!!)

アルバムの元ネタは漫画「ザ・ムーン」オロカメン。90年代の筋少っぽいメロディ。橘高作曲なのかな?歌詞については下書き段階で「パブロフの犬だ/パブロフの犬だ/噛まれる前に/急いで逃げろ」といったことを書いたらメンバーから「バンドを始めた中学生が書いたような歌詞だ」と言われたと大槻がオールナイトニッポンで語っていた気がする。それを書き直してここまでの大槻文学にするとは思わなかったので、当時驚いた記憶がある。
歌詞の中に登場する男性を描写して「やがて彼は本を読むようになり…」というところでリスナーに「ああ、こいつも頭がおかしくなるんだな」と気づかせるところが最高に好き。

おすすめ5・どこへでも行ける切手(断罪!断罪!また断罪!!)

エヴァンゲリオンの綾波レイの元ネタがこの歌詞の「包帯で真っ白な少女描いた」だと思った。「いくぢなし」のようなプログレッシブ・ロックで、当時ずっと繰り返し聞いていた気がする。筋少プログレ路線が、この曲を最後に、近年の「エニグマ」まで途絶えてしまったのは残念です。

ここから活動停止までのアルバム「エリーゼのために」「UFOと恋人」「レティクル座妄想」くらいまでは追い掛けていたし、それぞれに良い曲はあったのだけど、それ以降のアルバムは私は全く知りません。

復活後

いいね!プログレ筋少が戻ってきた気がした。YouTubeのお薦めアルゴリズムでBABYMETALの関連動画として人間椅子が表示されたおかげで、人間椅子のブームが欧米で起きたのだから、人間椅子の関連動画として筋肉少女帯が表示されたら、或いは欧米でブームが起きるのか?と考えたのだけど、大槻の歌詞にグローバルな普遍性は無くて、ある時代の日本人のサブカルチャーに属する人間にしか理解できないので、難しいかなと。だってアメリカ人の全身入れ墨のモヒカンが「トコイトコイってなんだっけ?ああ諸星大二郎か、まったく大槻はいつまでサブカル野郎なんだよ」とは言わないでしょう。そんなモヒカン野郎は人間椅子の歌詞を深いと言っていたが、「命の重さは山より高いか海より深いか」が、深いかなあ?まあどう感じるかはその人の自由です。

結論

再生数が2562回って…みんなYouTube Premiumで聞こうよ。

レコード会社の担当者へ

YouTube Premiumで、SISTER STRAWBERRY のリリースが2009年になっています。修正してください。あと曲名がすべてアルファベット表記になっているので、日本語名も併記してください。

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Hiroki Kaneko

底辺ソフトウェア・エンジニア。私はわたしの考えていることを誰かに知ってほしいと思っている。