アーロンチェアを自力で修理しようとする人のために参照できる記録を書いておきます。
18年間使ったアーロンチェアを自力で修理しました。特に壊れやすいのにメーカーが補修部品を提供していないガスシリンダーなどについての入手方法、取り付け手順についてメモ書きしました。
AliExpressで交換用部品を買う
Shop912025546 Store という、それ本当に店の名前か?と思われるよくわからない所から以下の3点を購入した。AliExpressを見ると似たようなものがたくさんあり、どれを選んで良いのか全くわからなくなるが、少なくとも私が選んだこの製品はアーロンチェア ‘05年製造で使えた。
これはそれぞれ、骨盤サポート、座面用フォーム、ガスシリンダーの3点だ。アーロンチェア用ガスシリンダーを謳っている製品をアメリカのAmazonから買おうとするとそれだけで8,000円はするし(円安が憎い)、そもそも日本へ出荷できないようだったのでAliExpressを利用したところ、同じような値段で3点も買えてしまった。
Top activatedとSide Activated
私はシリンダーを買ってからこの事実に気づいて凍りついたのだけど、アーロンチェアのガスシリンダーは2012年のいつかを堺にマウントが変わっているらしかった。それ以前はトップマウント、それ以降はサイドマウントといって、更にリマスタードだかクラシックだかはトップに戻ったのだそうだ。幸いにも私のアーロンチェアは2005年製造だからトップであり、購入したガスシリンダーもトップ用だった。
まずはご自分の椅子の裏(背面ではない)に書かれた製造年を見て、どちらなのか確認してほしい。そして以下のビデオを見て、トップとサイドの修理方法を頭の中で想像してほしい。
修理に必要な道具
- 六角レンチ各種サイズ
- トルクスレンチT25サイズ
- パイプレンチ(なるべく大きいやつ)
- ソケットレンチ(私が使用したのは17mm)
- ハンマー
- プラスドライバー
これが事前に揃っていないと修理はその日のうちに完了しない(あと交換用パーツも)。まずはこれらを揃えるまでは修理をするべきではない。特にパイプレンチなんかは「どのご家庭にも必ず一つはある」ような代物ではないので困るだろう。私の場合はお隣のおじさんに借りた。
トルクスレンチ(通称、星型)も日本では普及していないので、これもどうにかして入手する必要がある。
ソケットレンチは、パイプレンチを使ってガスシリンダーを回そうとしてもまったく動かなかった時のために、これをガスシリンダーの上に置いて、そこからハンマーで力任せにぶっ叩くために必要。
私の修理手順
六角レンチを使って座面を外す。座面を支えているアームは左右に2本ずつ、合計4本のボルトで止められている。
座面裏のクッションを交換する。おそらくボロボロになっているだろう。交換用フォームも、単なる3Mの両面テープで止まっているだけ。新品を置くまで押し込んだ後に両面テープのマスキング部分を剥がして接着すること。押し込む前にマスキングを剥がすと途中で座面とくっついてしまい、奥までそれを押し込めなくなる。
シリンダーを抜く。これが一番大変。
まずはメカ部分を隠しているプラスチックケースを外す。ビデオでは素手で叩いているが、うまくいかない場合はヘラのようなもので剥がす(そしてプラスチックの爪が折れる)。
次に、シリンダーをActivate(日本語で何というのか?)しているコンポーネントを外す。これはプラスネジ。
ガスシリンダーの頭が見えたら、ソケットレンチを上に置き、そのソケットレンチをハンマーで力任せに100回ほどぶっ叩く。殺人事件だと誤解されて警察を呼ばれないよう注意する。
シリンダーの頭が3mmほど奥に引っ込んだと思われたら(先に写真を撮影しておくとわかりやすい)、椅子を横に寝かせてパイプレンチでシリンダーをねじりながら抜く。
後の手順は上のビデオを参照。
椅子を再度組み直す時は、Activate部分の調整が必要になる。これをトルクスレンチで時計と逆回しにしながら確認する。シリンダーが任意の高さで止まることを確認できたら椅子を全部組み直す。
最後に
アーロンチェアは新品同様になり、私はこの結果に大変満足している。
ハーマンミラーにこの内容の修理を頼むと5万円以上掛かるので、1日に5万円以上を稼ぐお金持ちの方はご自分で修理せず、メーカーに修理を頼んだらいいんじゃないですか?