トップ大学を卒業した優等生の皆さん、その後金持ちになりましたか?
人生の経験を積むことにより、自分の以前の考えは間違いだったと気づくことがよくある。頭が良い人ならそれを人生の早いうちに気づき、私のような凡人は人生の半ばでそれにようやく気づき、愚か者は死ぬまで気づかない。
一体誰がそれを教えてくれるのだろうか?昔は学校の試験で良い成績を残し、名門と呼ばれる大学を出れば、あなたは高給取りで一生安泰だと思われていた。少なくとも子供の頃の愚かだった私はそう考えていた。当時の日本社会にそのような雰囲気が漂っていたため、どんなに馬鹿な私でもその「空気」を感じ取っていた。
私は記憶力が悪いので、いわゆる丸暗記で対処できるような試験には対応できないし、そもそも日本語の主語を省略するような話し方をする特定の人間の言葉を全く理解できないのだった。このひとは一体何について話をしているのか?学校の先生がそのような話し方をしていた場合、私はまったく話が理解できなかったし、私は人の好き嫌いも激しいため、先生が「私の嫌いなタイプの人間」であった場合、授業の内容など全く理解できず、ただ教室から逃げ出したいと思っていただけだった。
そのような性質の人間は、生徒も先生も含めた学校社会でうまく立ち回れるはずがなく、私は早々に学校から逃げ出した。
一方、学校社会で「うまくやれた人々」は、その後どうなったのだろうか?私はそのような「成功者」と知り合う機会がなかったためをよく知らないのだけど、自分の経験から、実際に私が会ったことのある人を2人挙げる:
サンプルA:日本人。親は大学講師もしていた。彼自身は留学もして、現在はオーストラリアの大学で研究者をしている。
サンプルB:シンガポール人。両親は共に小学校教師。アメリカのトップ大学を卒業後、母国へ戻り企業に勤める。
この2人に共通することは「親が何らかの知的な背景があり、その親のキャリアの源泉も、彼ら自身も似たような境遇で育った」と言える。サンプルAは代々医者やら大学教授やらの家系であった。サンプルBについては聞いていない。
少なくとも(母数2なら少なすぎる)親に知的障害があるとか、犯罪組織の構成員であるとか、そのような場合には彼らのような学歴/キャリアは最初から望めないか、とてつもなく難しいと想像できる。
彼らは貧困に喘いでいるわけではないだろうが、大金持ちか?というと少し違うだろう。Bの大学時代のクラスメイトは私も偶然会ったことがあるが、彼は台湾の外交官を親に持ち、アメリカのトップ大学を卒業後、モンゴルの砂漠の中の小さな学校で英語教師をしているらしい、とBから聞いた。彼は恵まれた環境で生まれたが、現在は金持ちだろうか?「自分の興味のある分野を仕事にして、自分の生きたいように生きる」は精神的に豊かであると言えるだろうが、5日に一度だけ、貴重な水のシャワーを浴びられるような砂漠の街の暮らしは、物質的に豊かであるとはとても言えない。
Bはどうだろうか?彼は大学生の頃から「老人のようなことを言う」人だったので、私が上に書いた「頭が良い人ならそれを人生の早いうちに気づき」のグループなのだろう。彼は今後、金持ちになりたいと思っているだろうか?「自分の興味のある分野の仕事をしたい」とは思っているらしいが、現在は結婚して子どもも生まれた身であるから、その優先順位は低くせざるを得ないだろう。私は以前、彼に「興味がある仕事だが同僚が嫌なやつばかりの職場と、興味はない仕事だが同僚は良い人ばかりの仕事、どちらが良い?」と聞いたところ「以前は前者と答えただろうけど、今は後者ですね」と言っていた。これが結婚したことによるライフステージの変化に伴う心境の変化なのだろう。
人生の中で様々な人と出会うことで、以前の考えが間違っていた、あるいは真実ではないと気付かされることがある。学校での成績が優秀で、いわゆる名門大学を卒業しても、別に金持ちになれるわけではない。しかし、将来金持ちになるであろう人との人脈形成はできるだろう。
それは「宝くじを1枚買うより10枚買うほうが当たる確率は高くなるよ」といった程度のことでもあるらしい。