ブロンプトンB75試乗短評

Hiroki Kaneko
8 min readOct 24, 2019

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まだ値札も取ってなかった。帽子のツバのシールを剥がさないファッションと同じか。

Disclaimer

私はブロンプトンの他のモデルに乗ったことがないので、既存モデルと比べてどうだという感想は言えません。B75は既存ブロンプトンの単なる廉価版に過ぎず、既存モデルのユーザーは気にしなくても良いと思います。
あと写真を撮るのを忘れた。

サイクリングの前に

自転車の空気入れのヘッドが壊れている。私が持っているのはTOPEAK JoeBlow Maxという機種だが、米式バルブ側でポンピングするのが初めてだった為に、空気が入らない様を見て、何か自分の手順が悪いのかと思ったが単純にヘッドが壊れていた。私の人生の中で一体いくつの自転車空気入れを買ったのか忘れてしまったが、大抵がヘッドの空気漏れのために、どこも壊れていないピストン部分も含めて全て捨ててしまうというもったいないことをしていた。自転車グッズメーカーであるTOPEAKは台湾に本拠地を持ち、以前、TOPEAKの偉い人が日本の自転車雑誌のインタビューに「日本には“山椒は小粒でもぴりりと辛い”という諺がありますね。我々もそのような企業でありたい」と答えていたので以来ファンになった。そんなに安くないこの空気入れを捨てたくなかったので、自転車パーツも何でも揃うAmazonで調べたところ、それらしいヘッドが見つかった。しかし商品ページには「JoeBlow Max 2に対応する」と書かれていた。自分のポンプが2か1かなど知らない。しかし写真を見れば同一パーツだ。少し怖いが、買うしか無い。届いた。付けた。空気が入った。賭けに勝った!
前後タイヤともに5.5barほど空気を入れたが、試乗してみて後ろの突き上げが心もとなかったので、もう少し高めに入れても良いかもしれない。タイヤには最高7.5barと書いてあったので。小径タイヤの方が高圧で空気を入れる気がする。

ヘッド根元を回してねじ込むだけで着脱可能

M型ハンドルについて

身長178cmの私が腰の高さまでサドルを上げて(この、シートポストがすごく高いのが横から見るとカッコいいのだけど)M型ハンドルに手をかけて丁度いいくらい。単なるバーになるT型ハンドルだと、前傾姿勢になりすぎてポタリングという感じにはならなそうだ。以前どこかのブログで呼んだのだけど、ブロンプトン乗りである身長150cm以下の成人女性はM型ハンドルではアップライトすぎ、T型ハンドルがちょうどよいと書かれていた。なぜこのような事になるのかというと、ブロンプトンにフレームサイズというものがなく、小径タイヤの割には長いホイールベースが直進安定性を生み出しているのだけど、その代わりに各個人の身長差を埋めるのはフレームのS,M,Lではなくシートポストとハンドルタイプで調節する為、畢竟、購入時に体格に合わせてハンドルタイプを選択することになる。ちなみにB75はM型ハンドルのみ。

https://www.capproblema.com/tipos-de-manillar/

Mより背の高い人用であるH型、そしてトライアスロン用ハンドルバーのようなP型は、日本では見かけない。

重量について

泥除けも無し、リアキャリアも無しのB75は軽いと思う。一番簡素な状態。トッピングなし。これはクロモリフレームにしては結構軽いのでは?と思った。ブロンプトンが誕生した1970年代、自転車フレームといえばクロモリだったが、それから材料はアルミになり、チタンになりと益々軽くなる中で、私のような貧乏人にはチタンフレームのブロンプトンは高価すぎて買えず、かといってアルミフレームモデルというものは存在しない。なぜだろうか?耐久性だろうか?以前どこかで、ブロンプトンのものづくりのプライオリティは1に耐久性、2に軽量、と書かれており、アルミフレームの耐久性を信じていないのかもしれない。そしてアルミニウムの金属特性を私は知らない。

変速機について

スターメイ・アーチャーというブロンプトンとその互換機でしか見たことのないイギリスのメーカー製だが、現在は台湾企業傘下になっており、壊れた時の部品入手はしやすいかもしれない。Wikipediaによると内装変速機のパイオニアだそうだ。しかし乗り心地は、例えばママチャリにありがちなシマノ製内装変速機とどこか違うのかと言われれば違いはない。というかハンドル右手のレバーが非常に使いづらく、もしかしたらシマノの方がマシかもしれない。レバーには2つつまみがあり、右に倒す場合は親指、左に倒す場合は人差し指を使うのは疲れる。久しぶりに内装変速を使ったけど、これは外装変速機と違い、変速レバーを倒す時にペダルは止めていなければならない。これがママチャリのようで走っているときには少し興ざめする。
たかが内装3段なので、ブロンプトンはシャレオツなママチャリと思って下さい。もっとスポーティーな折りたたみ自転車をご所望の方は、バーディー(旧日本名BD-1)なんかいいんじゃないですかね。

ひと漕ぎ何m?

知らないけど、乗ってみた感じでは内装の一番重いギアにして、スポーツバイクの27段の一番重いのと体感的には同じくらいかもしれない。ただ内装がゆえのママチャリ感は拭えない。重量が軽いのでママチャリのような鈍重な感じは無い。

スタンドがない

これは駐輪の時に非常に困る。後輪を折り畳んで自立するようにしなければならないからだ。サードパーティがブロンプトン用キックスタンドというものを発売しているが、チタン製で8000円もする。勘弁して欲しい。

走行安定性

タイヤが小さいがゆえのふらつきはあるものの、ホイールベースが長いせいかスピードが乗ってくるとそれなりに走行を楽しめる。これは車重が軽いせいかもしれない。軽い自転車は走っていて楽しい。たとえ内装3段だろうが。
これで輪行して家から離れた場所でポタリング、というのは折りたたみ自転車ならではの楽しみ方ではあるけど、これを輸送して自転車旅行をするか?と自問してみると、内装3段では私には大変すぎるかもしれない。

後輪の突き上げ感

小さな段差において、後ろが少し頼りなかった。空気圧5.5barじゃ足りないのかも。私が太っているだけなのかも。忘れて。

サドルのお尻フレンドリーさ

私には少しお尻に痛い。まあ私は日本基準だけでなくアメリカ基準でもメタボリック症候群に気をつけろと診断されてしまうので。私には「ブロンプトン ワイドサドル(6500円)」を後から付けてもいいかもしれない。ちなみにブロンプトンの耐荷重は110kgだ。

BRIDGESTONE Transit lite

昔、私はブリジストン トランジット ライトという折りたたみ自転車に乗っていたことがあり、ブロンプトンはあの自転車の走行感覚を思い出した。とはいえホイールベースとかギア比とかを考えれば走行性能はブロンプトンに一日の長があり、折りたたみ時の大きさ、そしてデザイン性は足元にも及ばず。どちらがチャリヲタ共のペットになれるのかというと、これはもう圧倒的にブロンプトンである。

7kmほど走った感想

シャレオツ街乗り自転車です!これで自転車旅行をしている人はご苦労さん…。あとは早いとこ日本で発売してくれというところなのだけど、もし15万円の値札を下げていたら買わないかもしれない。いい加減台湾で生産しましょうよ…。ブロンプトンのフレームにはユニオンジャックと「Made in London」と誇らしげなステッカーが書かれているが、クォリティーコントロールという言葉を知っている人間にはこのような「上等舶来」には騙されない。ここがユニオンジャックではなく台湾の国旗🇹🇼だっていい。中国本土に輸出する時は、それを五星紅旗🇨🇳にすげ替えればいいだけだ。簡単だ。

自転車も郵便ポストも空も犬の💩もイギリス🇬🇧の方が上等です!そんなわけあるか

ああ自転車って気楽で楽しい。これが自動車なら「目的地に駐車場はあるのか?あったとして、空いているのか?」を常に気にしなければならない。

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Hiroki Kaneko
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Written by Hiroki Kaneko

自営業のソフトウェア技術者。Airbnb TOP5%ホスト。サイクリングと旅行が趣味。

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