プラテーロとわたし:詩と音楽と朗読の3芸術が合わさったCDで聞こう。特に江守徹朗読版が素晴らしいが絶版。

Hiroki Kaneko
3 min readJul 11, 2020

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ラジオは引きこもりの友

…午前中にNHK FMラジオから流れるクラシック名曲集とかそういうのを聞いて、それがいきなり浪曲に変わったことで「あ、もう11時だ」とラジオを消し、ありがたくも親が作ってくれた昼食を食べ、14時からまたNHK FMのクラシック番組を聴き、16時にそれがポップスに変わるとまた消すか、民放AMラジオはつまらない野球中継に変わるので夏場は聞くこともなく、22時になれば伊集院光を聞こうか(東京ローカル)、1時になったが今日のオールナイトニッポンのパーソナリティは好きではないのでNHK第一のラジオ深夜便でも聞こうか、というのが、1990年代前半を生きる引きこもりの無為な生き方というものだった。今は部屋にラジオが無いのでラジオを聞くという習慣が全く無くなってしまった。そんな中でNHK FMから知ったのが題名にもある「プラテーロとわたし」だった。一度聞いた時に、その江守徹による名朗読と、乾いたアコースティックギターが、自分の心がスペイン南部の灼熱の太陽のもとにいるような気がした。当地に行ったことはないけど、確かバブルの頃、SONYのTVコマーシャルで「アンダルシアにしかない空の色があります」みたいなコピーがあり、そこにはもううろ覚えだけれど、青い空と人間と馬が写っていたように記憶している。自分が想像できる「モゲールの野」は、あのTV CMが全てだけれど、いつか行ってみたいと思うようになった。

当時、カセットテープに録音した「プラテーロとわたし」を私は持っていた、ということは1度聞いて感動し、その後、偶然にも同じ朗読が放送されたのに遭遇して一も二もなくその場でエアチェック(今は使わない言葉ですが)をしたのだろうと思う。そのカセットテープは擦り切れるほど聞いた後、この朗読がCDになっていることを発見し、買い求め、以降、私のiPhoneの中にはいつもこの音楽データが入っている。

テデスコ:プラテーロとわたし

プラテーロとわたし とは

ノーベル文学賞を受賞したスペイン出身の詩人、フアン・ラモン・ヒメネスによる詩。どこか浮世離れした主人公と飼いロバ、プラテーロとの交流を描く。ギター曲はカステルヌオーヴォ・テデスコ作曲。ここに朗読が入るのだけど、日本語版は既に幾人かの名前が検索できる。私にとっては江守徹がベスト。

これを聞きながら昼寝をするのが至福の時です。

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Hiroki Kaneko
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Written by Hiroki Kaneko

自営業のソフトウェア技術者。Airbnb TOP5%ホスト。サイクリングと旅行が趣味。

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