三連休を潰してロバート・ライヒの講義を視聴したが後悔しなかった
Feb 12, 2024
2月の三連休は確定申告の準備をしなければならないのにYouTubeに逃避してしまった。しかし後悔はしていない!クリントン政権の米国労働長官、ロバート・ライヒによるカリフォルニア大学バークレー校での講義を半分くらい視聴したから。今では私は日本の政治・経済よりもアメリカの政治・経済の方が詳しくなってしまった。
この人の凄さは何かというと、まず話がわかりやすい。英語が苦手な私もYouTubeの自動翻訳をチラ見しながら本人の英語も聞いただけで話に引き込まれてしまった。まるで外国のアニメファンが字幕を読みながら日本のアニメを見ているようだ。
そしてエリートというか何と言うか、要するにアメリカのエスタブリッシュメント予備軍であるアイビーリーグの法科で同級生に(後の)クリントン夫妻がいて、同級生の一人が大統領になったから、閣僚を誰にしようかと考えたビル・クリントンは「ああそういえば大学の同級生にあんなやつがいたからワシントンに呼んで労働長官をやらせよう」といった次第だ。そういうことなんだな。これがいわゆる「高学歴ネットワーク」というやつだ。そんなエリートの彼だけど政治・経済に関する考え方は左派というか、なんと表現したらよいのかわからないので、頑張って説明してみよう。
- 彼は1970年代から米国政治に関わっているが、現在(2023年)のアメリカの状況を生み出したターニングポイントは1970年代後半から始まったという。
- 1980年代から中間層が減り、左派のお題目である「金持ちはますます金持ちに、貧乏人はますます貧乏に」が始まった。
- 市場というのは存在しない。それは抽象的な概念である。市場は様々な規制により人為的に生み出されるものだ。そしてその法律を決めるのは政治である。なので政治と経済は切り離して考えられない。
- つまり、今の状況は誰もが規制や法律を守って行っている結果、こうなったのでありここに悪役は誰もいない。それが問題である。
- レーガン政権あたりから言われていたトリクルダウンという概念がでたらめである様々な証拠。戦前からの高所得者に対する税率がどれだけ低くなったか
- 収入と富は別であると。収入に課税しても富には課税されないため、金持ちは無傷だ。
- この「貧富の差」は大恐慌前と同じレベルまできていると。
- 人種間による所得格差の原因は住む場所が隔離されているからだ→レッドライニング
レッドライニングについては「ファクトフルネス」の翻訳もした上杉周作による以下の記事が参考になると思う:
- アメリカは西海岸と東海岸だけが栄えており、内陸部が置き去りになっている。
- 良い大学は西海岸と東海岸に多くあり、そこに通えるものだけが大学内で優秀な友達とつながり、良い収入を得る機会になる。
- アメリカの住宅区割りは人種別になっており、そこに機会の損失がある。
このような感じで、だいたい半分くらい見たので、また今度残りを見ようかと思っている。