偉大なる普通。テトリー(Tetley)は全く癖がない毎日飲む紅茶だった
成城石井へ行ったら、前回行った時は売られていなかったテトリー(Tetley)紅茶が売られていた。80袋で800円強。なんでも、イギリスで一番売れている紅茶だとか。早速買って飲んでみた。
面白いことに、ティーバッグは円形だ。これは朝、眠い目をこすりながらティーバッグをマグカップにぶちこんで、熱湯とミルクで抽出して朝の一杯を飲み、スプーンでぎゅうぎゅう押しながら抽出し、最後に底に残ったティーバッグは捨てよということなのか。
こうしてミルクティーにして、牛乳と砂糖を入れてしまえば自分が今飲んでいるのがコーヒーなのか紅茶なのか、判断が付かなくなる。日本メーカーにありがちな渋みもないし、紅茶であるという風味がないようにも思える。これは高級紅茶などではなく、イギリス人がスーパーマーケットへ行って安い紅茶を買い、水代わりに飲むのは多分こういう紅茶なのだろう。
私の好きなイギリス紅茶TOP4(すべてミルクティー用)
- フォートナム&メイソン
紅茶の風味が豊かだが日本で買うには高すぎ、毎日飲めるような値段ではない。ご贈答用。人からもらったら嬉しい。去年、個人輸入でブロンプトン自転車をイギリスから届けてもらったら時、輸出業者の方がフォートナム&メイソンのティーバッグを1袋同封してくれたという心憎いプレゼントで、その味に驚いた。
2. ヨークシャーティー
安くて紅茶の風味豊かなイギリス№2の紅茶。残念ながら日本での流通量が少なく、成城石井のような大手スーパーマーケットでは買えない。ぜひ取り扱ってほしい。なぜなら私が紅茶の美味しさに開眼したのは、イギリス人カップルがおみやげに持ってきてくれたヨークシャーティーだったからだ。こないだイギリスから個人輸入した250gパックを飲みきってしまい、悲しい。
尚、日本に販売代理店はあるものの、送料が高いので去年秋のポンド安の折りにはAmazon経由でイギリスから空輸した方が安かった。
私も名前をヨークシャーティーに改名しようかと思うほど好きだ。
日本の消費者はどのような紅茶を飲んでいるのか?わからん。街に小洒落たコーヒーショップ、というのは沢山あるけど、紅茶専門店というのはなかなか無い。地元に日本紅茶業界では有名な店はあるものの、値段が高いし、私の趣味の味ではなかった。磯淵猛さんは既に故人のようだ。
3. PGティップス
タンニンのえぐみが少しある、日本の紅茶に近い味。薄いと感じたら、PG Tips EXTRA STRONGという種類もあるので、それが良いかもしれない(私は飲んだことがありません)。ピラミッド型ティーバッグは茶葉のジャンピングにより美味しく抽出できるという。
4. テトリー
毎日飲む、どうってことない紅茶。だけど日本のメーカーは「どうってことない味」すら出せないのだから、これは「偉大なる普通」ではないのか?ティーバッグが丸かったり紐がついていたりと、美味しく抽出するための何かこだわりがあるようだ。そしてテトリーの親会社は今やインドのタタ・ベヴァリッジ社だ。東インド会社も商標権をインド企業が買い取って紅茶店として経営しているし(よくまあ旧宗主国の搾取会社の商標権をインド企業が買うなあとは思うけど)、インド経済はそのうちイギリスを追い越すな、と思わせる。
イギリスの普通の紅茶を安い値段で買えないものか…。