北朝鮮のネットゲーマー
仕事場の同僚にこんな話を聞いた:彼は熱心なPCネットゲーマーなのだけど、1990年代後半、ネットゲーム黎明期にBlizzard社からDiablo、というゲームが出ていて、大変流行していた。彼も大ハマリしたという。
このゲームはbattle.netというマッチングサーバに接続して世界中のプレイヤー同士でゲームができたのだけど、その中に北朝鮮から繋いでいるプレイヤーが居たと聞いて、私はたいへん驚いた。1990年代後半、インターネットは政府の検閲を受けておらず、まったく自由な世界(クソとミソが一緒になっているので、それが良いのかは分からないけど)だったのだ。
1990年代後半といえば、北朝鮮では水害による飢饉が発生し、餓死者も大勢出ていたはずだ。そんな中で呑気にゲームにうつつを抜かしている、という事は、彼は庶民ではなく特権階級だったろう。そして今、国内から外国へのネット接続が規制された現状、外国製ゲームも入ってこない現状を見て、当時の北朝鮮ネットゲーマーは何を考えているのだろうか?昔のほうが良かった、などと考えているのでは?
時代は21世紀になり、古い言葉だが「西側」メディアは大規模DDoS攻撃だとか、暗号通貨の横領は北朝鮮のハッカーグループの仕業だ、などと特に証拠もなく報道している*1。
もしそれが本当なら、それは「当時のネットゲーマー」が関わっているのか、そして彼は「あーあつまんねえな。またアメリカ製のゲームで他のプレイヤーの耳を切り落としたいぜ」などと、上からの命令でしょうもない仕事をさせられていることに飽き飽きしているのではないか。
*1 仮に証拠があっても、大学でジャーナリズムを専攻していた彼らには理解不能だろう。ブルームバーグでさえ「中国軍に近い筋がコンピューター基板に“スパイチップ”を入れている」などと事実無根の飛ばし記事を書くぐらいだから。
しょうもない仕事!それは暗号通貨の横領だろうか?外国のサーバにDDoS攻撃を仕掛ける事だろうか?くだらない!しかし技術音痴のマスコミ記者どもはそれを「21世紀の戦争だ!」と言って騒ぎ立てる。ある人はDDoS攻撃を揶揄してこう言った:「外国の軍隊が、自国の運転免許書書き換えセンターにて免許の書き換えを待つ行列の前に陣取り、更新作業を妨害することが“21世紀の戦争”なら、そんなものは恐るに足らない」。
元ゲーマーとして、北朝鮮のネットゲーマーに同情する。私の気持ちは彼らとともにある。