私の好きなヨークシャーティーをつまらん政争に巻き込むな、というか下らないのは政治は元よりツイッターでは？
イギリスの大手紅茶メーカー「ヨークシャー・ティー」が、政治論争に巻き込まれている。与党・保守党の閣僚が同社商品と共に写真を撮ったことから、一部のユーザーがボイコット運動を始めた。
ヒトラーは毎日歯磨きをしていたようだから歯磨きもボイコットしろ、というかあのオッサン、ベジタリアンだったような気がする。肉を食え。
政治が下らないのはいつものことだとして、ツイッターってどうしてこうも下らないのだろうか？私は以前、アカウントを取って2,3呟いてみたが、後で自分の発言を読み返してみると、評論家気取りで知ったかぶりのバカがそこにいたので赤面し、以来使用を止した（他人のつぶやきを読むだけのアカウントは持っている）。
言い争いを誘発する失敗設計
政治と言っておきながら有権者の殆どは、どのような政策オプションがあるのかも知らないし、物事の基本的なところも理解していない。仕方がない。人類600万年の歴史の中の殆どで、事実を誤認していようがいまいが食う寝る出すにはあまり関係せず、自分が属する内部集団のリーダーの言うことに従ってさえいれば自分は集団内で「仲間」であると認識され、食料のおこぼれに預かれ、バカでもまあまあうまく生き残ってこられたのだから *1。これが宗教だとか神権政治が生まれた理由だろう。
しかし現代、それらが可視化され、十分な議論をできるわけではなく、誰も自らの発言に責任を負わなくてもよいように出来ているシステムの上でそれがなされたらどうなるだろうか？
*1 内部集団のリーダーに服従すれば自集団内での自分の扱いが良くなり、生き残れるとの行動パターンが人間のDNAに刻み込まれている。だから気候変動は嘘だとトランプが言えば共和党支持者は従うし、それで自分が自集団の中で有利に扱われるだろうという期待を意識的にせよ無意識的にせよ選択しているのだ。その決定により干ばつで食料が無くなり、台風で家が水没するなどして最終的に自分が迷惑を被っても、DNAはそんなことは関知しない。
これが大統領だろうが王様だろうが教祖様だろうが、リーダーが明らかな嘘をついても支持する人間がいる理由だ。それを何か、正義だとか道徳だとか義務だとか言って正当化したがるのも結局は自分可愛さでもあろうし、もっと言えば「そのように思考するよう脳が設計されている」からだ。
コミュニケーション・プラットフォームとしてツイッターの設計は失敗だと思う。いい年してアニメを見る他能無しのオタクからアメリカ大統領までが、自分の発言に責任を負うこともなく毎日世界中でゴミクズデータを垂れ流している。お前のブログだって同じではないかって？そうかもしれない。しかしブログ記事にコメントがずらーっと並ぶような光景は、今ではあまり好まれないようであるし、ブログ記事を書くには時間がかかるので、その間、自身の考えを振り返ることも出来る。書いていて、これは違うな、と思った文は消して、その結果が今あなたが読んでいるこの文章である。しかもブログは140文字以上書けるので、言葉が足らずに齟齬が発生する率も減る。コメントも、ツイッターほど手軽には投稿できないので（bot防止の画像ジグソーパズルなどを解くなど）、頭の中で思ったことをすぐに反応的に返事をするようなことも減る。「面倒くさい」手順が心理的な防波堤になり、結果、うかつな発言が生まれにくい環境になっている。
以前、アメリカの女子中学生だったが考案したネットいじめ防止iOS用キーボード、それはソフトウェアキーボードから特定の感情的な単語を入れると「もう一度考えよう」などと表示され、文章確定前には、自身の発言内容をもう一度見返すようサジェスチョンされるようだが、ブログの副作用はそれに近いと思った。ツイッターの問題点は、よく推敲もされず、自分の反応的な考えをあまりに簡単に投稿できるその設計にあるのではないか。
ほとんどの人間は、余程意思が強いのではない限り、環境にただ流されてしまうと感じている。だとすれば、もっと人間が理性的になれるプラットフォームが必要ではないだろうか。朝から晩までツイッターに張り付き、「今起きた」だとか本人以外全く価値のない下らない投稿ばかりしている人間を私は信用しない（朝から晩までMediumに張り付いている私が言えた義理ではないけど）。
