私はいつになったら快適な日本語入力ができるのだろうか?macOS Big Sur上のGoogle日本語入力を速くする方法

Hiroki Kaneko
Mar 20, 2021

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TL;DR macOS Big SurでGoogle日本語入力が遅くなった人はこれだけを見よ:

システム環境設定→セキュリティとプライバシー→プライバシータブ→フルディスクアクセス→GoogleJapaneseInput(有効にする)

買い替えの罠

macOS Big SurにしてからのGoogle日本語入力が遅い、という問題。Big Sur自体が、この2016年式iMacには遅くなったような気がするのだけど、何より困るのがGoogle日本語入力だ。私の、大して速くもないタイピングに文字の表示や変換候補の表示が付いてこられないのだ。

またか。いつになったら私は満足に日本語入力ができるのだろうか?もう何十年待たせるつもりだろうか?非常に腹立たしい、と思っていたら上記の設定で問題は解決してしまった。

Panasonic MSX2(1988年頃)

そもそもMSXで日本語入力をするのは至難の業だったので、私はMSXで日本語ワープロなど使ったことがなかった。8x8ドットで漢字を読むという特殊技能を、当時の日本語話者達は備えていたのだ。

https://littlelimit.net/misaki.htm

幸(しあわ)せだが辛(つら)い。

8x8ドットフォントで上記の文を表示すると、“幸”の上が“土”ではなくなるので“辛”と同じに見えてしまうのだけど、その下の1ドットの差で何とか読めるようになっていた、ような気がしたがこれはMac OSのOsaka 9ポイントの話だったのかもしれない。

https://images.app.goo.gl/Bgmq1w1CWZCT42Wa9

上記はハドソンの「ドラえもん」なのだけど、このドラえもんドット絵にはちょっとしたエピソードがあって、当初、ドット絵のドラえもんのヒゲは2本であったところを原作者の藤子F不二雄が「3本にしてください」と注文をつけたそうな。その結果が上の、ちょっと不自然なドット絵だ。
もしこのドット絵の、ドラえもんのヒゲの一番上が1本なかった方が全体のバランスとしては良いのに、ドット絵の省略の美を知らない藤本が台無しにした例だ。藤本は漫画家としては一流であろうけど、ドット絵に関しては門外漢であり、黙ってろといいたい。

NEC PC-98互換機(1991年頃)

最初にコンピューターから日本語を入力したのは、EPSONのPC-98互換機だった。NEC製MS-DOS 3.3に付属のIMは連文節変換もできないようなゴミクズであり、ジャストシステム製ATOK6とか7の変換が優秀だった。しかしハードディスクも無い当時のPCでは、スペースキーを押して漢字変換するたびにフロッピーディスクの辞書を読みに行き、とても使えたものではなかった。その後、ハードディスクにIMと辞書一式を入れて、見違えるほど速くなったことを思い出す。

16ドットフォントを見て、“書”といった複雑な漢字が潰れずに表現できていることに感動した。今の人は理解できない感動だ。今の人は「書くの下の“日”が上とくっついてるぞ」としか思わないだろうけど。たとえくっついていても、潰れない“書”を見たのはこれがはじめてだった。

Apple Macintosh LC II(1992年頃)

System6.0.7付属の日本語IMである、2.1変換は予想通り連文節変換もオプション扱いのゴミクズであり、私は追加でお金を払ってKatanaとかWXとかEGBRIDGEとかATOKなどを買わなければならなかった。その後のSystem7では、つい最近退役した日本語IMである「ことえり」が新たに付属していたが、良かったのはその雅な名前、“言(こと)選(え)り”のみであり、私の大して速くもないタイピングに表示が付いてこられない有様だったので、当時私は何をIMにしていたのか忘れてしまったが、Mac版ATOKは漢字変換の精度の前に、そもそも動作が不安定であったので、詳細は忘れてしまったがEGBRIDGEを使っていたのだと思う。

https://ameblo.jp/robit/entry-11149395941.html

Apple Power Mac G4(2001年頃)

アンチエイリアスフォントは以前から見ていたものの、Mac OS X付属のヒラギノフォントは衝撃的だった。その後見ることになるRetinaディスプレイ以前では、はじめて「ジャギーが見えないフォント」だと思ったからだ。それは液晶以前のCRTディスプレイの滲みも相まってそう見えただけだったのだけど、それでも、ついにこのような美しいフォントの日本語をディスプレイ上で見られるようになったのだ、と感動した。

https://images.app.goo.gl/RVw4Fein35UEpf5S8

Apple iPhone 5c(2013年頃)

ついに肉眼でピクセルが見えなくなったのは、これは私が加齢で目が悪くなったのもあろうけど、とにかく見えないんだ。これで私の中の「モニター上で文字を読む」は完成されてしまった気がした。小学生の頃、8x8ドットフォントで潰れた「書」のアウトラインから漢字を推測していた頃が、何かもう夢の中の出来事のように思えてきた。

https://images.app.goo.gl/vZ1aZ2KQqkJ8gGca6

Amazon Kindle Paperwhite(第7世代)

300ppiのEInkディスプレイ。自ら発光するのではなく、紙の本を読むように外界の光を取り込んでの読書。目が疲れない。これがもう究極の読書用ディスプレイだろう。あとはもう少し反応が速くなってくれれば。

最後に

そういった次第で、技術の進歩はここまで来たのに、30年前のように日本語入力がもたついてしまったことに大変がっかりした。

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Hiroki Kaneko
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Written by Hiroki Kaneko

自営業のソフトウェア技術者。Airbnb TOP5%ホスト。サイクリングと旅行が趣味。

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