自分だけ良い方に回ってるんじゃねえ:米食やめろと言われても
無断転載するGigazineの記事傾向は“こんな感じ”
上記記事は英語で書かれたWebサイトの記事を無断翻訳して広告費を稼ぐGigazine(ゲームとアニメとジャンクフードとHacker newsからの無断転載記事と、「こんな感じ」という気持ち悪い言葉を多用するサイト)のものだ。英語が苦手な私にとっては、Hacker newsで話題になった記事が2日後くらいに適当に翻訳されて出てくるので重宝している。
孫引きを見ずに元記事を参照するとこれはイギリスの新聞・The Guardianのもので、食料の生産に伴う温室効果ガスの排出量がグラフになっていた。それによると米の生産に伴う温室効果ガスの排出量は小麦の2倍ということで、これは主に水田から出てくるメタンガスのせいかと思う。
そこで感じる事が2つあった;20年くらい前の役所のテレビコマーシャルと、「自分が良い方に回りたがる」だ。
20年くらい前、農林水産省だかどこだかの役所が、適当に余った予算を使ってTV CMを出していた。曰く、水田は環境に優しいと。稲から出る酸素で地球温暖化を防止しています、みたいな内容だったと思う。
しかしその後、色々な本を読むと、どうも水田というのは腐った植物から出るメタンガスによって温室効果ガスを排出しており、メタンガスの温室効果はCO2の何十倍だとかいう。つまり農林水産省の、あのTV CMは植物にしか目を向けず、水田には意図的か、知らずか、目を背けていたということになるのですがどうなんでしょうねお役所の研究所の皆様?
自分だけ良い方に回ってるんじゃねえよ
適当な翻訳のGigazineには「研究チーム」としか書かれていないが、元記事を読むと、白書を書いたAtul Jainは、イリノイ大学の気候科学者だという。この人がアメリカ人だか知らないが、とりあえず西洋文化圏でパンを主食にする人間のような気がする。
「俺は米なんて食わないけど米食ってる奴ら、お前らが地球温暖化を助長しているのだ」と言われると、私としてはムッとする。そこに「自分は《正義側》に回って相手を非難している」構図を感じるからだ。
米を主食にしている文化圏の人間は、例えそれが真実だとしても「そろそろ米食は控えましょう。《貧乏人は麦を食え》の時代は終わり、《意識高い系は麦を食え》にしましょう」とは言わない。
あの白書が、例えば東、東南アジアの研究者によるものだったら、これは真実を追求する研究者の姿に感動するのだけど、これがアメリカ人によるものなら「俺はやってないけどお前らは反省しろよ」という雰囲気を感じてしまう。そこにあるのは「自分は正しい、お前らは間違っている」という主張だ。なぜそのような主張をするのかと言うと、自分だけは特別だからだ。自分、自分の家族、自分のホームタウン、自分の国、自分の神、それだけが理由もなく特別なのだ。それは人間だけではなく全生物に組み込まれた「神の陰謀」であり、その陰謀に気付けるのは全生物中、人間だけだというのにお前はまだ気づいていないのか、という苛立ちがある。
そのような次第で、私はこれからも米食を止める気はないし、菜食主義者になる気もないが、肉食を減らすことぐらいはできるんじゃないかと思っている。