邦訳10年後に読むアジャイルサムライ

Hiroki Kaneko
Jun 26, 2021

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10年前に読まなかったのは、アジャイルな現場など行くはずもない、と思っていたからだ。
10年後に読んでいるのは、「これはアジャイルなんだ」と客先の部長が社員とベンダーを全員立たせて怒号を飛ばす吊し上げ会を毎朝1時間やっているからだ(本には5分程度って書いてあるのに…)。これがアジャイルなのか?違うと思うけど。勘弁してほしい。

オッサンの感想

20世紀末に流行ったエクストリーム・プログラミングだとかスクラムだとかの延長線にこの本、というかアジャイルがあり、これがいわゆる「銀の弾丸」ではないことは皆が知っているだろう。しかしウォーターフォールでやるよりは余程いいんじゃないの?問題はチーム全体がこの仕事の進め方を理解しているか、というのと、エンドユーザーがこの仕事の進め方に理解を示してくれるかであり、そこを納得させるのはPMの仕事だろうと思う。

翻訳について

読みやすい文体にしようという努力の跡があるのは認めるけど、10年前のネットスラングを多用されるのがこの2021年に読むとキツイ。読み捨ての雑誌ではないのだから、賞味期限の早く切れる言葉は使わないでほしい。「どうしてこうなった」とか。

著者・翻訳者紹介欄について

自己紹介欄に「○○と言われるが定かではない」みたいに、自己紹介なのに他人事のように書く奴らが大嫌いです(その延長線上に「○○やってみた」とか「【悲報】俺氏、○○する」といったパターンもある)。
自己紹介に「言語オタクをこじらせて自分で言語を作ってしまった大馬鹿者」とか書くRubyの設計者とかも、あーあ、それ、自尊心の裏返しでしょ?ニューヨークの地面掘っても聖書の続きなんか出てこねえよ、とか思う。
みんな、いい年なのだからそのような子供じみたことは止めよう。

感想を一言で

アジャイルの仕事の進め方をとりあえず理解するには良い本。ただ10年前とは社会環境が変わってしまったので「チームメンバーが皆一箇所に集まろう」といってもこのご時世、皆リモートワークだったり、時代に合わせた解釈が必要だと思った。

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Hiroki Kaneko
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Written by Hiroki Kaneko

自営業のソフトウェア技術者。Airbnb TOP5%ホスト。サイクリングと旅行が趣味。

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