非凡な人物の凡な悩み

Hiroki Kaneko
2 min readJun 9, 2019

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Photo by Vasily Koloda on Unsplash

本人の名誉のため、彼の名前は書かない。なので、彼の事は私の想像上の人物だと思ってもらっても構わない。
彼は日本のトップ大学院を卒業後、1年目から高給をいただける、あるネットサービスを運営している大手企業へ入社した。彼は働き始めたばかりだが、年収は私の何倍もあるだろう。傍から見れば、彼の人生は順風満帆に見える。しかし彼は悩んでいた。周囲に自分より仕事のできる同期の人間が沢山いた場合、上司から求められている仕事を自分は出来ないのではないか?楽しそうにしているカップルを見ると、自分には彼女が居ないので、腹立たしいという。高給の職を得たが、人生の意味がわからないという。

なんというか、くたびれた中年の私からすると、あなたのようなエリート候補が、そんなくだらない事で悩んでいるのか?と不思議だった。

自身の性格を「ガリ勉」と日本語で表現していた(彼は日本人ではない)彼なら、努力すれば会社で頭角を現すこともできるだろう。

彼女が居ても居なくても、彼の生活の質は変わらないだろう。結婚はしたけど、やはり以前の彼女を選んだほうが良かったのでは?と悩んでいる人が私の周囲に居た。

人生に意味など無いが、右脳だか左脳だかが忘れたが、脳のいち部分が常に自身の周囲に起きた物事に意味を見出そうと無駄な努力をするのだそうだ。そのような事にも、やはり意味はない。

エリートとは、頭が良いとは何だろうか?トップ大学院を卒業しても、普通の若者のような、普通の人間のような事に悩まされる。もちろん彼は普通の人間なのだ。微積分は分かるが、人生の意味(など無いということ)は分からない。

頭が良い、という言葉は、もう少し人格的な意味で使ったほうがよいと感じた。

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Hiroki Kaneko
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Written by Hiroki Kaneko

自営業のソフトウェア技術者。Airbnb TOP5%ホスト。サイクリングと旅行が趣味。

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